気を抜かずに、きちんとこなそうとする気持ちは、とても素敵な力です。
でもときどき、その「がんばり」が自分を苦しくさせてしまうことがあります。
- 100点じゃないと落ち着かない
- 少しのミスでも強く落ち込む
- 人にどう思われるか気になる
- 手を抜くことが“悪いこと”に感じる
もしこんな気持ちが続いているなら、それはあなたが真面目で、責任感が強い証拠でもあります。
完璧主義は悪いものではありません。
ただ、ずっと全力で走り続けると心が疲れてしまう ことがあるだけ。
今日は、その気持ちを少しだけゆるめる習慣を紹介します。
“完璧にやらなきゃ” と感じるのは悪いことではない
完璧主義は、
「きちんとしたい」「周りに迷惑をかけたくない」
という優しさから生まれます。
さらに、
・責任感がある
・行動に誠実
・細かいところに気がつく
という長所と表裏一体。
むしろ、多くの人が頼りにしている部分でもあります。
だから、完璧主義=ダメではありません。
ただ、疲れているときや余裕がないときに、“完璧さ” が心を締めつけてしまうことがあるのです。
完璧主義で苦しくなる理由
苦しさが強くなる背景には、いくつかの心理があります。
① 失敗を過剰に避けようとする
過去のつらい経験から「ミスしたらダメだ」と思い込んでしまうことがあります。
② 人の評価に敏感になりやすい
「どう思われるか」が気になり、自分の基準より周りの基準を優先してしまう。
③ 100点か0点か、極端に感じてしまう
普通にこなせているのに、できなかった一部分だけを強く感じてしまう。
④ 脳の仕組みが慎重さを強める
人は危険を避けるようにできているため、「少しの不完全さ」を大きく捉えてしまうことも。
どれも性格の問題ではなく、心ががんばってきた証拠 でもあります。
心をゆるめるための3つのステップ
ここでは、完璧主義を“やめる”のではなく、苦しさを減らしていくための方法 を紹介します。
Step1|“小さな合格ライン” を作る
完璧主義の人は、知らないうちに「100点の目標」を毎回設定してしまいます。
でも、現実的に100点を毎日続けるのはとても大変。
そこで効果的なのが、「60%で合格」のラインを作ること。
例としては
- 部屋の掃除 → “床が見えるだけで合格”
- 料理 → “1品だけ作れたらOK”
- 仕事 → “今日の最重要タスク1つだけ集中”
- 家事 → “10分家事だけで終わりでいい”
100点ではなくても、確実に前に進んでいます。
完璧主義の人ほど、この“ゆるい合格ライン”が心を守ってくれます。
Step2|“優先順位のふるい” を使う
すべてに全力を出す必要はありません。
1日のタスクを紙やスマホに書き出して「やる・やらない・後回し」に分けるだけ で、負担が減ります。
- 今すぐやらなくていいこと
- 無理してやらなくても困らないこと
- きちんとやりたいこと
この順番を整理すると、「完璧じゃなくていいこと」が意外に多いと気づけます。
タスクが軽くなる=心が軽くなる、につながります。
Step3|“できなかった部分”より“できた部分”を見る習慣
完璧主義の人は、1%のミスに意識が向きがちです。
でも実際には、残りの99%は「できていること」のほうが多い。
1日の終わりに“今日できたこと” を3つだけ書くという簡単な習慣が、心をゆるめてくれます。
- 小さな仕事が片付いた
- 優しくできた
- ごはんを作れた
- 休むことを選べた
こうして事実を見る癖がつくと、「自分はちゃんとできている」という感覚が育っていきます。
気持ちの土台を整えたい時は、前の記事「自分を信じる方法」も合わせて読むと心の整理がしやすくなります。
完璧を求めすぎてしまう日の優しい対処
疲れている日ほど、“いつも以上に完璧でいよう” としてしまうことがあります。
そんな日は、“やさしいルール” に切り替える日 にしましょう。
- 家事は最低限
- 仕事は最重要の1つだけ
- 夜は早めにオフ
- 自分に厳しい言葉禁止
- 完璧を求める思考が出ても責めない
人は本来、波のある生き物。
調子が悪い日は「そんな日もある」と受け止めて大丈夫。
完璧主義とうまく付き合えたら、毎日が少し楽になる
完璧主義を手放すのではなく、付き合い方をゆるめていく と、気持ちが驚くほど楽になります。
- 気持ちの余白ができる
- 人の評価が気になりにくくなる
- 物事の優先順位がつけやすくなる
- 落ち込みが長引かなくなる
- 自分への厳しさが少し減る
「がんばり屋さんのまま、力を入れる場所だけ変える」
それだけで、あなたの心はもっと軽くなります。
まとめ
完璧主義は、あなたの長所の裏側にある大切な力です。
悪いものではありません。
ただ、苦しさがあるときは少しだけやり方をゆるめてあげれば大丈夫。
- 小さな合格ラインを作る
- 優先順位を分ける
- できたことを見る
この3つの習慣が、毎日の負担をそっと減らしてくれます。
あなたのペースで進めば、十分です。
完璧であろうとするほど、心はいつの間にか力を入れすぎてしまいます。そんなときに役立つのが「自分を大切にする」感覚です。
→ 気を遣いすぎて疲れた日の心の守り方
→ 頑張りすぎてしんどい人へ

